■膝の水

皆さんは膝に水がたまったことはありますか。膝に水がたまると膝が曲げにくくなったり、張った感じがしたり、時に痛みを伴うこともあります。

そんな時、整形外科では膝関節に針を刺して水を抜きます。穿刺(せんし)といいます。痛そうですが実はそれほど痛くはありません。私も何度か抜いてもらったことがあり、ドクターがうまいと刺すときにチクっとするぐらいです。

患者さんから「水を抜くとクセになると聞いたことがある」とよくお聞きします。結論から言うとクセにはなりません。原因があるから水がたまるのです。

変形性膝関節症の水の生じる原因はズバリ、関節内に生じた炎症です。1度たまった膝の水は自然になくなることもあります。動き過ぎた後などに水がたまっていても、翌朝にはなくなっていることもよくあります。

ただ、炎症が続いている時などは、なかなか水はなくなりません。こんな時は穿刺をしてもらいましょう。もちろん穿刺だけでは炎症は治まらず、再び水のたまる可能性があります。穿刺と同時にその原因となる炎症を抑える治療もする必要があります。症状によっては、穿刺後に同じ針からヒアルロン酸や炎症を抑えるステロイドを注射します。内服薬や湿布を使うこともあります。このほか、穿刺をすることで引けた液体の性状から、痛風、偽痛風、感染、関節内損傷などが予想できるという利点もあります。症状の軽減・治療だけでなく現状把握もできる穿刺、クセにはなりませんので必要時は穿刺を!