■変形性膝関節症の体重コントロール

みなさん、膝関節にかかる負荷はどれだけか知っていますか。歩行時の膝にかかる負荷は、体重の2~3倍、階段の上り下りでは6・7倍であり、ジョギングでは4・5倍、ランニングでは10倍といわれています。

負荷が大きくなると膝関節のクッションである軟骨がすり減りやすくなり、結果として変形性膝関節症が生じやすくなります。例えば、体重が5キロ増えると、階段の上り下りで30~35キロ、ランニングでは50キロが膝にかかる負荷として増えることになります。

逆に言えば、膝にかかる負荷は体重が軽くなればなるほど小さくなります。国際変形性関節症学会や日本整形外科学会は「肥満がある変形性膝関節症の体重過多の患者には、減量し、体重をより低く維持することを奨励する」と減量を強く推奨しています。

肥満でなくても、やや太り気味でダイエットしようとしている方が多いと思います。5キロの減量はなかなか大変ですが、3キロの減量ができれば階段負荷が18~21キロ、ジョギング負荷が12~15キロ減ります。しかし、いきなりジョギングやランニングを行うことは禁物です。10キロ背負ってジョギングすることを考えてください。相当きつそうですよね。

急な運動で膝に痛みが出ると動かなくなり→体重が増え→運動不足となり→さらに体重が増えるという悪循環に陥ってしまいます。痛みが出ないように、まずはウオーキングから始めてください。そしてうまく体重をコントロールして膝の負荷を減らし、膝の痛みの改善と予防を心がけましょう。