■天気によって変形性膝関節症は痛くなるのか

天気が悪くなると膝などの痛みが強くなる方がいると思います。「気象病」と言う概念がありますが、これは気象の影響を受ける病気のことです。

この気象病のうち、痛みや気分障害に関するものを、愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授の佐藤純医師は「天気痛」と名付け、日本で初めて天気痛外来を開設しています。この天気痛の症状には関節痛や頭痛などの痛みだけでなく、めまい、耳鳴り、倦怠(けんたい)感、うつ症状などもあります。

この原因を佐藤医師は次のように述べています。「気圧の変動を感知するセンサーが耳の内耳にあり、気圧の急激な変化を感じると交感神経(体を緊張させる神経)と副交感神経(体をリラックスさせる神経)からなる自律神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になりすぎると痛みの神経を刺激し、頭や古傷が痛くなります。副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みを感じます。天気痛が起こりやすい方は、内耳が敏感で、気圧の変化を感じ取りやすい状態といえます(tenkitsu-dr.comより)」

外来診察でよく耳にする「雨が降る前に痛みが出て、雨が降ると痛みは治まる」ような症状は、この天気痛の可能性がありますね。他にも天気による痛みの原因は諸説ありますが、まだまだ研究途上のようです。佐藤医師によると、内耳の気圧センサーが過敏に働くことによって生じる天気痛を改善する方法はあるようですので、ご興味のある方はインターネットで検索してみてください。