70歳でも骨折する人がいる一方、90歳でも毎日元気に歩いている人もいます。この差は筋肉や骨がどのくらい鍛えられているかどうかによって決まります。

60歳を過ぎたら、筋肉や骨を意識的に鍛えていかないと、どんどん弱くなります。そこで筋肉と骨を鍛える活動、「筋活・骨活」が重要になってきます。

<健康に不可欠な5つの活>

筋活・骨活は90歳になっても介護保険のお世話にならない5つの活の1つ。では残りの4つの活とはどんなものなのでしょうか。

がんの予防やコロナなどの感染症の重症化を防ぐには免疫力が大事です。免疫力を高めるには腸を元気にすることが重要ですが、この活動が「腸活」です。

90歳の壁というと、認知症も心配です。90歳になってもボケない脳にするための活動が「脳活」です。

高血圧や糖尿病、さらに心筋梗塞や脳卒中を防ぐには、血管を健康にすることが大事です。この活動は脈拍の「脈」をとって「脈活」と名付けました。

さらに年をとると、寝付きが悪くなったり、熟睡できない人が多くなります。睡眠の質を高めて脳や体をしっかり休める活動、「眠活」も必要になります。

<筋トレは1日3つでよい>

この「5つの活」をわかりやすくまとめたのが「介護の世話にならない 鎌田式『90歳の壁』を元気に乗り越える5つの極意」(エクスナレッジ)という本。ぼくが考案した最新筋トレレシピ19も掲載。毎日3種類ほどやれば、90歳になっても一人レストランで食事を楽しむための筋肉がつくでしょう。(医師で作家・鎌田實)