痛風の予備軍「高尿酸血症」は、尿酸値が7.0 mg/dlを超えると診断されます。激痛の痛風発作を引き起こすもととなる尿酸。その尿酸値が上がる原因には「遺伝的要因」と「環境的要因」が大きくかかわっています。
遺伝的要因としては、尿酸を運ぶ働きをする「トランスポーター」の遺伝子が関係しています。腎臓や腸管にはこのトランスポーターがあって、尿酸の排せつや体内への吸収に重要な働きをしています。腎臓から尿酸を排せつする力には個人差があり、トランスポーターの遺伝子のわずかな違いで、その排せつ力が違ってきます。遺伝子のわずかな変化で、尿酸の排せつ力が低下するので、尿酸値が高くなりやすいのです。
さらに、環境的要因が加わってくると高尿酸血症のリスクは高まります。とりわけ、高尿酸血症のリスクとしては「男性である」こと。尿酸値の平均は男性が5.8 mg/dl、女性が4.6 mg/dlで、元々ベースの尿酸値は男性の方が高いです。女性ホルモンが尿酸の排せつを促すので、痛風は男性の方がなりやすいのです。
「男性」の次には「肥満」。肥満で内臓脂肪が蓄積していると、尿酸の排せつ力が低くなり、尿酸値が上昇します。さらに、肥満があると「高インスリン血症(血液中のインスリン濃度が高くなる)」の状態になり、腎臓から尿酸の再吸収が高まって尿酸値が上昇するのです。そのほか、「お酒(アルコール)」「プリン体の多い食品」「果糖」「水分の摂取不足」「ストレス」なども尿酸値をあげるリスクが高いのです。
生活習慣以外の原因として、他の病気が原因で高尿酸血症になることがあります。「腎機能障害」では尿酸の排せつが悪くなります。また、高血圧治療に使われる「利尿薬」など、薬剤によっても尿酸値が上がったりします。他の病気で治療を受けている人は、主治医としっかり相談をしてください。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

