加齢に伴い飲み込む力が弱くなると、肺機能の低下なども相まって誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが上がる。そんな状態のサインと考えられるのが「食事中にむせること」。食べ物を口に入れた状態で話をすると、気道のふたとなる喉頭蓋(こうとうがい)がうまく働かず、食べ物が気道に入って咳き込むようなことが起こる。
「食事のときの前かがみの姿勢でも、誤嚥は起こりやすくなります。気道は食道の前方にあるため前かがみの姿勢で食事をすると、重力で気道に食べ物が入りやすくなるのです。食事の仕方を変えるだけでも、誤嚥予防につながります」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター副センター長の菅原玲子医師はアドバイスする。
食べ物が食道の方へスムーズに送るには、椅子に深く腰かけ、あごを引き、背中を真っすぐに伸ばした姿勢での食事がよいそうだ。食事中の会話も、食べ物を飲み込んだ後に行うこと。テレビや新聞を読みながらの食事も、注意力が散漫になることで喉頭蓋の開閉のタイミングがズレて、誤嚥につながることがあるからご用心。
「食後すぐ体を横にすると、胃の内容物が逆流しやすく、食道の方へ逆流して気道へ入ると誤嚥になるのです。若い方でも、胃の入り口が開いて胃酸が逆流する逆流性食道炎の人は、誤嚥性肺炎を起こしやすいので注意しましょう」(菅原医師)
食後30~60分は、座った姿勢を保つと誤嚥予防に役立つそうなので、新聞は食後にゆっくりと読んではいかがだろうか。正しい姿勢で食事をして新聞を読む習慣が予防の一助になる。

