日本ハムは先発予定だった加藤が体調不良により、急きょ先発することになった福島蓮がチームの窮地を救った。2位の西武とのゲーム差は試合前の時点で1・5。この試合を落としていれば、逆転2位は厳しくなっていただけに大きな勝利になった。
ただ勝ったというだけではない。リリーフで投げていたときよりもリラックスして投げていたように見えた。それでいて初回から150キロ以上の真っすぐをコンスタントに投げていたし、制球力もまとまっていた。約2カ月半ぶりの緊急先発でいい意味で開きなおれたのか、少しでも長く投げようとした責任感がプラスに働いたのかは分からない。5回を1安打無失点で三振は1個だったが、先発で好調だったときの投球感覚がよみがえった可能性はある。
打線もレイエスが不在の苦しい中、8点を奪った。試合を決めたのは郡司の満塁ホームランだが、淡泊なバッティングが目立つ打線が5四球と5死球。負けられないという雰囲気は、打線からにじみ出ていた。
気になったのは、1点をリードした7回無死一、二塁から大塚が送りバントを2度ファウルした後に空振り三振した場面だった。
大塚はここまで2犠打しか決めていない。普段から送りバントをさせないのだからサインを出した方が悪いという見方をする人はいるが、それは違う。
大塚はスタメン出場するときでも下位打線で起用されることが多い。ここまで6本塁打しているように1発のパンチ力はそこそこあるが、クリーンアップを任されるような打者でもない。それならば「バントが下手」では済まされない。負けられない大一番になれば、送りバントが決められるかで勝負が分かれるケースは多い。
普段からもっとバント練習をしなければいけない。バントをファウルした後の三振も、空振りしないようなしぶといスイングには見えなかった。長い間、プロで生き残りたいなら、バントやミートの技術もレベルアップさせないといけない。
日本ハムは残り1試合。勝利すれば、2位争いで西武にプレッシャーをかけられる。最後まで諦めないで粘り強く戦う姿勢は、その後のCSにもつながるし、来季以降のレベルアップにもなる。(日刊スポーツ評論家)






