DeNAの左腕エース東の好投が勝利へ導いたと思う。1-1の9回、1番度会が殊勲の決勝本塁打を放ったが、このヒーロー劇を生んだのは東の働きだ。

戦前から予想された息をのむ投手戦。東と巨人井上の一歩も引かない投げ合いは、すごく見応えがあった。

こういう投手戦で勝敗を分けるのは、1発か味方のミス。東は試合の流れが相手にいきかねない場面で踏ん張った。

2回、先頭宮崎が左前打で出塁したが、牽制(けんせい)死した。リード幅をとっているわけでもなく、凡ミスといわれても仕方ないプレーだった。それ以降、井上はリズム良く軽快な投球を続けた。

5回にも先頭で宮崎が左前打で出塁したものの、続く古市がバント失敗で送れず無得点。嫌な展開となったが、東は2回、5回の巨人の攻撃を3人で抑えた。

無失点で抑えただけではなく、付け入る隙を与えず、キッチリ3人で片づけたところに意味があった。短期決戦では致命的になりかねない味方のミスをカバーし、相手に流れを渡さなかったのは大きかった。

井上が8回を1失点、10奪三振に対し、東は7回を1失点、2奪三振。タイプは違うが、丁寧に打たせてとる投球で、打線の援護がない中、我慢強く投げた。

試合展開を読め、派手さはないが、しっかり仕事をやってのける東の存在は頼もしく感じた。東の今季巨人戦は4試合で3勝、防御率1・33。一方、井上もDeNA戦は7試合で5勝1敗、防御率0・77。

お互い、「自信にまさる武器はない」というのを実感させられる投球だった。初戦を勝ったチームのCSファイナルへの進出率は85%。接戦をものにしたDeNAが有利に立った。(日刊スポーツ評論家)

【動画】DeNA度会隆輝が土壇場9回勝ち越しホームラン レフトスタンドは狂喜乱舞

巨人対DeNA 9回表DeNA1死、ソロ本塁打を放った度会隆輝はベンチに向かってポーズ(撮影・鈴木みどり)
巨人対DeNA 9回表DeNA1死、ソロ本塁打を放った度会隆輝はベンチに向かってポーズ(撮影・鈴木みどり)