西武の黄金期を支えたオレステス・デストラーデ氏(56)の懐は大きかった。7月31日(日本時間8月1日)、FOXスポーツの解説でレイズの本拠地、フロリダ州タンパのトロピカーナフィールドに現れた。日本人記者が取材を申し込もうと近寄ると「チョット待ってネ。シゴト、シゴト」と、流ちょうな日本語で答えた。

 エンゼルス戦の大谷翔平投手(24)と初めて対面し、数分間談笑。その後、親交の深いソーシア監督ともあいさつし、さらに日本のテレビ局のインタビューにも応じた。あちこちへと慌ただしかったが「5分だけネ」と、新聞記者の取材にもしっかりと答えてくれた。予定の5分をオーバーし、7分半となっても丁寧に対応。最後はお決まり(?)のリクエストにも快く応じ、本塁打後の定番ガッツポーズ、「BOOM!」を一緒にやってくれた。

 89~92年、95年と5年間、西武でプレーした。眼鏡をかけ、両打ちで右でも左でも本塁打を量産した。あのガッツポーズが目に焼き付いているファンも多いだろう。8月5日(同6日)、ライオンズフェスティバルズのスペシャルゲストとしてメットライフドームを訪れる。「どれだけ日本のプロ野球が僕にとって良かったことか。ファンも尊敬してくれたし、今でも好きでいてくれる」とうれしそうに話した。西武が生んだレジェンド選手の1人として招待されることに「楽しみだね。スーパー名誉なこと」と感謝した。

 エンゼルス大谷へは、国は違えど同じ異国で戦う身として成功するために「とにかく、我慢すること」と伝えた。日本通算160本塁打のデストラーデ氏にも、慣れないことも少なからずあった。それでも、ファンやチームメートに助けてもらった。だからこそ「僕は日本人メジャー選手のビッグ・サポーターだよ。いつでもサポートしたい」と思っている。現役の頃のように眼鏡はかけていなかったが、丸い眼と優しそうな笑顔は変わっていなかった。【MLB担当 斎藤庸裕】