12年の超大型契約を結んだエンゼルス・トラウト
12年の超大型契約を結んだエンゼルス・トラウト

エンゼルスのマイク・トラウト外野手(27)が、乗りに乗っている。8日(日本時間9日)、ア・リーグの週間MVPに選出された。1日から6試合で打率4割3分8厘、5本塁打、9打点。レンジャーズ戦では4試合連続の5発と大暴れだった。守ってもホームインを狙った走者を中堅からのストライク送球で補殺、ホームラン性の打球をジャンピングキャッチするなど、攻守で存在感抜群だ。

「KID(キッド)」というニックネームの通り、少年のように無邪気な姿を見せることがある。アリゾナ州でのキャンプ中、クラブハウスでチームメートと卓球を楽しんでいた。自分のウイニングショットに狂喜し、逆に相手にスマッシュを決められれば思い切り悔しがる。「勝負することが好きなんだ」。たとえ遊びでも、勝ち負けがつくとなれば真剣だ。

高校時代は、バスケットボールでも才能の優れた選手だったという。「どちらもシュートを打つ、ボールを打つという点で似ているけど、ただ野球の方が好きだった。僕の父親も一番野球が好きだったんだ」。難しい理由はなく、より好きと感じた野球を職業として選んだ。その後、メジャーでトップレベルの外野手に成長。3月にはエンゼルスと米スポーツ史上最高額となる、12年約469億円の長期契約を結んだ。

野球のオフシーズンは、月に2回ほど魚釣りにも行くというトラウト。自身の名前は魚のマスと訳されるが、「マスも食べたことあるけど、おいしかったね。マス、好きだよ」とさわやかな笑顔で明かす。ゴルフやアメリカンフットボールも大好きで、ひいきチームの結果には一喜一憂する。何事も、全力で思いっきり楽しむ。莫大(ばくだい)な年俸を手にしても、純粋な少年のような気持ちが常にある。試合でのプレーや日々の姿から、トラウトの人間味がにじみ出ている。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)

エンゼルス大谷翔平(右)とトラウト
エンゼルス大谷翔平(右)とトラウト