ドジャース大谷翔平投手の復帰登板は再び白紙となりました。しかし、ワールドシリーズ3連覇のために「投手大谷」の力は絶対に必要であり、いずれ万全の状態でマウンドに戻ってくることを期待します。
そうなれば、日本人コンビの山本由伸投手に8月3日のトレード期限にタイガースから獲得したタリク・スクバル、11日に左肘痛から復帰したブレーク・スネル、25日に腰痛から復帰のタイラー・グラスノーとエース級5人が勢ぞろいします。
現在の実力を考えると、2年連続サイ・ヤング賞の最強左腕スクバル、昨年ワールドシリーズMVPの山本、ア、ナ両リーグ合わせて4度もMVPに輝く大谷、メジャー史上7人目の両リーグでサイ・ヤング賞受賞のスネル、そしてメジャー屈指の奪三振率を誇るグラスノーという順になりそうですが、どれも優劣つけがたく、現地では「史上最強の先発投手陣か?」と話題になっています。
しかし、過去の長い歴史を振り返ると、他にも球史に残る先発投手陣は存在しました。その中で最も人々の記憶に新しいのは1990年代ブレーブスの先発投手陣でしょう。
91年から米プロスポーツ史上最長の14年連続地区優勝(94年のストライキによるシーズン打ち切りを除く)した当時の先発投手陣は他を寄せ付けませんでした。
93年カブスからFAで「精密機械」ことグレッグ・マダックスが加入すると、技巧派左腕トム・グラビン、先発リリーフ両刀遣いのジョン・スモルツと後の殿堂入りトリオによる最強の先発3本柱を形成。特に98年はサイ・ヤング賞投票で1位グラビン、4位マダックス、5位スモルツと上位5人中3人をチームメートが占めました。
それに匹敵するのは1966年のドジャースでしょう。後の殿堂入りサンディ・コーファックス、ドン・ドライスデールと史上最高の先発二枚看板を擁し、他にクロード・オスティーン、その年にデビューした後の殿堂入りドン・サットンと超豪華な顔ぶれ。しかし、投手3冠で3度目のサイ・ヤング賞に輝いたコーファックス電撃引退の年でもありました。
さらに古い時代となりますが、1954年のインディアンスも引けを取りません。50年代前半に“火の玉投手”ボブ・フェラー、ボブ・レモンにマイク・ガルシアの先発3本柱を形成。特に、54年は当時ア・リーグ新記録の111勝を挙げ、不滅のワールドシリーズ5連覇を成し遂げたヤンキースを破って話題となりました。
とにかく、後の殿堂入りアーリー・ウィン、レモン、フェラーの3人を擁し、ア・リーグ防御率1位のガルシアを筆頭に3位レモン、4位ウィンと上位4人中3人を独占。ワールドシリーズではウィリー・メイズ(ジャイアンツ)の「ザ・キャッチ」に阻まれましたが球史に残る先発投手陣を誇りました。
それと1971年オリオールズのデーブ・マクナリー、マイク・クエイアー、パット・ドブソン、ジム・パーマーと4人の20勝投手、いわゆる「20勝カルテット」。同年オフに日米野球で来日し、富山での巨人戦でドブソンがノーヒットノーランを演じるなど、当時V9の巨人を子供扱いした圧倒的強さが印象に残っています。
他にも2019年アストロズなど枚挙にいとまはありませんが、とにかく今年ドジャースは史上最強の先発投手陣で悲願の3年連続世界一を狙っており、そのためにも投手大谷の復帰を焦らずじっくり待ちたいと思います【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




