エンゼルス大谷翔平投手(24)が22日、都内の日本記者クラブで会見を開き、日本のプロ野球と大リーグの違いについて聞かれ「行ってみて野球が違うなと感じました。パワーだけじゃなく技術、スピード、総合的に高いなと感じました」と率直な感想を語った。一方で「技術が思ったより進行し、自分が変わって、もっと先に行かないとついて行けない」とも語り、苦悩と葛藤があったと吐露した。

大谷は大リーグに挑戦した際の思いを聞かれ「日本で5年間やった自信はあった。日本でやったもので、という気持ちがあったが、実際に行ってみたらレベルが高かった」と振り返った。その上で「フィジカルの違いは見れば分かる。思っていたより先の技術が取り入れられている。できる限り自分のやり方でやりたいと思っていたので、そことの葛藤はありました」と、日本で培ったものだけでは通用しないと感じたことを明かした。

オープン戦の時は結果が出ず「今年くらい、結果が出なくてシーズンに入ったことはなかった。投手の方が、特に不安が大きかった」という。3月にイチローを訪ねたことについて聞かれると「キャンプの時、なかなかプレーがうまくいかず、精神的な面もそうですけど1番、経験した方にお話ししたいなと機会をいただいた。気持ち的にも精神的にも上向いて臨むことが出来た。勉強になった」と明かした。

開幕直前にすり足気味の打法に変えるなど、大リーグに対応できる打撃作りにも苦心したシーズンだった。大谷は「バッティングフォームに関しては、オープン戦から取り組み、日本でやって来た形でやりたかったという気持ちはあったんですけど、結果も内容も手応えを感じられなかった。少し変えようかなと取り組んだのが、良い方向に転がったのが1つ」と、打率2割8分5厘、61打点、22本塁打という結果につながったと語った。その上で「どこでやったかは関係なく、勝負しなければいけないと思った」と、まずは大リーグに行き、戦えるようなるために米国で勝負しなければいけないと強調した。

一方で、日米の野球の共通点として「上に行けば行くほど、本当に人間的に素晴らしい選手が多いなと感じます」と、一流選手の人間性の高さを挙げた。大谷は「日本、米国関係なく雰囲気、接し方は見習うべきところが多いと感じました。そこは変わらないです」とかみしめるように語った。【村上幸将】