米大リーグ機構(MLB)は7日(日本時間8日)、メジャー開幕に向けた話し合いの現状について、公式文書で説明した。

多くのプランを議論しているとした上で「選択肢の1つとして、ある1カ所の地域で試合を開催することについて話し合いを行った。ただ、この案に決定はしていない。また、詳細な計画も進めていない。政府関連や公共の保健機関とも定期的に連絡しているが、連邦、州や地域の自治体関係者、また選手会から、プランについての回答や了承などは得ていない。従業員、選手、ファンや大衆の健康と安全が最も大事」と、慎重な姿勢を示した。

前日までに複数の米メディアが、現時点の有力案としてアリゾナ州フェニックスに全30球団を集め、無観客で試合を行うプランが検討されていると報道。ESPN電子版は、日常的な新型コロナウイルスの検査、選手の移動や行動の制限、また、6フィート(約1・8メートル)の社会的距離を保つことなど必要な対策を講じた上で、早ければ5月のキャンプ再開とメジャー開幕の可能性を伝えた。

一方で、ニューヨーク・ポスト電子版やUSAトゥデ-などはこの日、付随するさまざまな問題点を指摘。選手を含めたチーム関係者の感染リスク、試合の開催場所の確保、無観客で行うことによる経済面での損失や選手に対する大減俸、また、MLBによる日常的なウイルス検査で地元住民が検査の機会を失うことなど、多くの課題を挙げた。