【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】米大リーグ機構(MLB)が、年俸によって減額幅が変わる段階形式の報酬案を選手会に提示した。

USAトゥデーやESPN(電子版)など複数の米メディアが内容を明らかにした。高年俸の選手は大幅減、低年俸の選手は減額が少なくなるシステムで、内容を確認した選手会側は落胆しているという。7月4日前後を目指している開幕へ向け、交渉は難航しそうだ。

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MLBが提示した報酬案は、高年俸のスター選手が大幅減俸となる段階形式の減額システムだった。ESPNによると、シーズン82試合で想定した場合、今年最高年俸のエンゼルスの主砲トラウトは約3766万ドル(約41億4300万円)が、約825万ドル(約8億6625万円=ワールドシリーズが完了した場合にもらえる250万ドルを含む)まで減ることとなる。一方で、低年俸の選手ほど減額は抑えられる仕組みとなっている。

MLBと球団オーナー陣は5月中旬、球団の収益を選手会と折半することで意見が一致。これが選手のさらなる減俸につながるとして、試合数に準じた日割りの報酬で合意していた選手会側から反発を招いていた。結果的に収益の折半案は再考されたが、複数の米メディアによれば、代替案に選手会はひどく落胆し、難色を示しているという。

15日に提案された新型コロナウイルスの感染予防に関しても、依然として両者間で大きな隔たりがあるとされている。6月中旬のキャンプ再開、7月4日前後の開幕を目指すには、合意のデッドラインは6月の第1週までとの報道もある。時間はまだ残されているが、前途多難の交渉スタートとなった。

ESPN電子版が報じたオーナー側の報酬案は年俸額によるスライド方式で、支払額は次の通り。

■最低年俸56万3500ドル→26万2000ドル(アスレチックスのパク投手ら)

エンゼルス大谷 70万ドル(約7700万円)→3000万~3500万円

■100万ドル→43万4000ドル(マリナーズのゴンザレス投手、ブレーブスのアクーニャ外野手ら)

マリナーズ平野 160万ドル(約1億7600万円)→約6000万円

■200万ドル→73万6000ドル(マリナーズのウォーカー投手、アストロズのデベンスキー投手ら)

ツインズ前田 300万ドル(約3億3000万円)→約1億5000万円

ブルージェイズ山口 317万5000ドル(約3億4900万円)→約1億5000万円

■500万ドル→164万ドル(ヤンキースのサンチェス捕手、カージナルスのウエインライト投手ら)

レイズ筒香500万ドル(約5億5000万円)→約1億8000万円

レッズ秋山600万ドル(約6億6000万円)→約2億円

■1000万ドル→295万ドル(ヤンキースのガードナー外野手、カブスのバエス内野手ら)

マリナーズ菊池 1400万ドル(約15億4000万円)→約4億円

■1500万ドル→405万ドル(エンゼルスのシモンズ内野手、ロイヤルズのペレス捕手ら)

■2000万ドル→515万ドル(カージナルスのモリーナ捕手、レッドソックスのボガーツ内野手ら)

カブスのダルビッシュ 2200万ドル(約24億2000万円)→約6億円

ヤンキース田中 2300万ドル(約25億3000万円)→約6億円

■2500万ドル→605万ドル(ジャイアンツのスタントン外野手、エンゼルスのレンドン内野手ら)

■3000万ドル→695万ドル(ドジャースのカーショー投手、レッドソックスのセール投手ら)

■3500万ドル→784万ドル(ロッキーズのアレナド内野手、ナショナルズのストラスバーグ投手ら)

■最高年俸選手 エンゼルスのトラウト外野手 約3770万ドル→約800万ドル

(ESPNによると、100万ドルまで約72・5%、500万ドルまで約50%、1000万ドルまで約40%、2000万ドル約30%、2000万1ドル以上は約20%の支払いとなる)