メジャー2年目のレイズ筒香嘉智外野手(29)が18日(日本時間19日)、ヤンキース戦に「7番DH」で、4試合ぶりにスタメン出場。

7日以来の打点となる決勝適時二塁打を放つなど、4打数1安打1打点だった。過去数試合は不振でスタメンから外れただけに、剛腕コールをKOする貴重な一打で、はずみを付けたいところだ。

    ◇    ◇    ◇

宿敵ヤ軍相手に敵地で3連勝。試合を決めたのは、久しく快音が途絶えていた筒香のバットだった。2-2の同点で迎えた7回1死一塁。剛腕コールの89マイル(約143キロ)の外角チェンジアップをすくい上げ、右中間を破った。「あの場面で打点を挙げることができてうれしく思います」。勝ち越しの適時打で、難敵コールをKO。快打に盛り上がるベンチの歓声と笑顔に、少しだけ〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)が緩んだ。

万全で迎えたはずのメジャー2年目。開幕後、主に「1番」で起用されていたが、結果は伴わなかった。「考えすぎていた部分があった。自分の中で崩れてしまっていました」。焦りがあったわけではない。だが、その結果、調子が下降する悪循環に陥った。「結果が出ていないので、いろんな感情はありました」。地元紙では、マイナー降格の可能性がささやかれるなど、重苦しさも感じた。それでも、リーダー格のキーアマイヤーから「リラックスして、楽しめばいい」と助言され、前向きな姿勢を維持した。キャッシュ監督は「大きな一打だった。ヨシ(筒香)にとってはタフな時期だったが、彼はよく練習するし、これで調子を上げてくれるといい」と、巻き返しに期待をかける。

筒香にすれば、1本の適時打で安心するつもりはない。昨季は、コロナ禍の影響で、球場の滞在時間など行動が厳しく制限され、納得の行く練習ができないまま、シーズンを過ごした。今季は、依然として制限付きながら、早出特打など徐々に打ち込み量も増やせるようになった。DeNA時代から豊富な練習量で調子を上げてきた。気になることがあれば、場所を選ばず、常にバットを握るのが筒香流。「自分の中ではいい方向に行っていると思う。自分の体を敏感に感じ取れる状態を作っておこうと思います」。勝率5割に復帰したレ軍にとっても、筒香にとっても、仕切り直すうえで格好の試合となった。

▼筒香が勝ち越し二塁打を放ち、これが勝利打点(V打)になった。筒香のV打は昨年9月17日オリオールズ戦以来、大リーグ移籍後4度目。ヤンキース戦では初めてマークした。日本選手のヤンキース戦V打は、14年9月5日の青木(ロイヤルズ)以来。