やっぱりすごい、ノーベル賞学者の鶴の一声。コロナ禍の治療薬承認を安倍総理に陳情した山中伸弥京大iPS細胞研究所長。総理は、参考にすると応じた。アビガンとレムデシビルだ。
来年に延期されたオリパラを山中教授は、大変心配されていた。教授は、高校では柔道、大学ではラグビーに取り組んだ。ケガするアスリートを助けたい思いで、整形外科の道へ。
大阪市大の整形外科には、「神の手」を持つ名医あり。山野慶樹教授は、足や腕、指を切断した患者の手術を得意とした。1年に5、6件、男性の性器切断患者も手術、復元させる技術を持つ。その医局に山中教授が入る。
山中教授は、手術が下手クソで山野教授に邪魔になるため「ジャマナカ」なるニックネームをいただく。米国留学の枠があり、山中教授が派遣される。で、手術せずとも治療できる方法はないかと考え、細胞研究に取り組む。当時、ES細胞が法律によって作成可能だったが、万能細胞ではなかった。
山中教授は、ついにiPS幹細胞という万能細胞を発見、世界中を驚かせた。山野教授から私に電話あり。「ノーベル賞まちがいなしの研究ゆえ、大胆な予算をつけてやって欲しい」と。私は福田康夫総理に陳情、いきなり100億円を超す予算がつけられた。
実は私と山野教授は、共にアフガニスタンで暮らした仲間。しかも、山野教授は野球好き、休みのたびに米大使館の海兵隊と日本人会チームが戦った。私はエース、教授はショート。
山中教授は、京大へ移籍。研究所を京大のメインキャンパス内に設置させたのは、私が総長と「京大の目玉になる」と談判した結果だ。京都駅前のホテルで、iPS幹細胞研究の発表会と文科省の支援報告会が開催された。山中教授の喜ぶ姿を私は忘れない。
特許も取らず、世界中の研究者に利用して欲しいという山中教授。「ジャマナカ」の命名者は、「神の手」を持っていたが、山中教授は「万能神の手」を持ち、私は「奥の手」を持っていた。

