「野球は9回2アウトから」とよく言われるが、そんな劇的な試合はめったにお目にかかれない。しかし26日のロッテ-ソフトバンク戦はまさにそのような一戦だった。
今から45年前、日本テレビの記者として初めてロッテ戦を取材した舞台は川崎球場。当時のロッテには個性派選手がズラリと並んでいた。マサカリ投法の大エース村田兆治、外国人スラッガーのリー兄弟、「ミスターロッテ」と言われた有藤通世、そしてロッテ時代に3冠王に輝いた落合博満などなど。その少し前の1974年には金田正一監督のもと、パ・リーグ優勝、日本シリーズでは中日を破って日本一になっていた。
カネやん監督は別荘が隣同士で子供の頃から可愛がっていただいていた。お会いするたびに語られるロッテ愛に感化され、実は私は隠れロッテファンでもある。
そのロッテが優勝マジック点灯の首位ソフトバンクを迎えた一戦をZOZOマリンで観戦した。初回、ロッテの先発が2四球と乱れ、そこから連打を浴びて一挙5失点。0-5。普通ならここで勝負あり、だ。しかしロッテは諦めなかった。大量点を狙わず、1点、2点と小刻みに追い上げていく。
試合後、サブロー監督もスクイズまで考えた場面があった、と話してくれた。
大きかったのは投手陣だ。八木をはじめ、後を受けた投手たちが強力ソフトバンク打線に追加点を許さない。益田はこの試合で通算800試合登板を達成。ピンチを背負いながらも無失点で切り抜けた。
8回裏、ソフトバンクの松本裕が西川、山口、佐藤を3者連続三振。さすがにこれは決まったかな、とガックリきたが、ここからが大興奮展開だった。
9回裏2アウト、ロッテはソフトバンクの守護神杉山を攻め、2死二、三塁から代打山本が起死回生の同点タイムリー。そして延長10回。山口が24号サヨナラホームランを放った。
試合後、ヒーローインタビューを受けた選手たちにも取材させていただいた。山本の同点打と山口のサヨナラ弾、どちらがより神プレーだろうか、と尋ねると、山本が「私! 私の同点タイムリーがなかったら、山口の24号もなかったんですから!」と爽やかに笑った。
野球は見ている者にも熱い思いを届けてくれるドラマだ。酷暑の中、球場を埋め尽くした野球ファンの1人ひとりのうちにアドレナリンがみなぎっているのが見えるような気がした。



