政界地獄耳

萩生田発言けがの功名/政界地獄耳

★自民党幹事長代行・萩生田光一がネット番組で「景気が腰折れしたら何のための増税か。この先危ないとなれば、違う展開はある」と消費税増税延期を示唆したり、憲法改正についての与野党議論について「ここまで丁寧に我慢してきたのに開けない。新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査を進めていかなければいけない」と言い出したりして、政界に波紋を広げたが萩生田が一番言いたかったことは消費増税延期に伴って「信を問う必要」と衆院を解散する「可能性に言及したこと」がポイントだ。

★つまり消費税増税延期よりも解散・ダブル選挙あるぞというシグナルが発言に押し込まれている。これに過敏に反応したのが連立を組む公明党だ。党代表・山口那津男は「信を問う資格があるのは総理大臣だけだ。だから、それ以外の人が言ったことは聞き流せばいい」と強く反応した。同日選を警戒する公明党にとっては自民党からのけん制と受け止められた。また、立憲民主党代表・枝野幸男も国民民主党代表・玉木雄一郎と急きょ会談。夏の参院選改選1人区に加え、衆院小選挙区の候補者一本化に向けた協議に入ることで合意し、枝野は他の野党党首とも個別に会談する意向だ。

★野党関係者が言う。「今、衆院選を打たれたら立憲は金も候補者もなくて厳しい。比例で当選している議員を選挙区にはめ込む作業すらできていない。枝野は慌てて嫌がっていた野党共闘に積極的対応をしてみせた」。萩生田発言は統一地方選挙が終わり、長い連休に入るとタガが外れる“魔の3回生”らを多く抱える自民党議員への引き締め発言だったものの、ことのほか公明、立憲が反応したもの。自民党にとってはけがの功名で政界全体が引き締まった。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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