2005年11月に東京都三鷹市のアパートで飲食店の副店長が殺害された事件で、殺人容疑で重要指名手配されていた指定暴力団山口組系の元組員上地恵栄容疑者について、警視庁捜査1課は26日、05年12月~06年2月ごろに死亡していたと明らかにした。死亡当時は49歳。

06年3月に石川県加賀市の山中で見つかった身元不明遺体と、DNA型と指紋が一致した。首をつって死亡しており、捜査1課は自殺とみている。今後、容疑者死亡で書類送検する方針。

捜査1課は上地容疑者が死亡していると推定して捜査を進めていた。

殺人事件の現場に残されていた血痕を上地容疑者のものと特定。血痕のDNA型について警察庁のデータベースで照会すると、石川県警が扱った身元不明遺体のものと25日に一致。指紋も26日に一致した。データベースは15年に運用を開始したものだった。

山中には現金約4万5千円と眼鏡が残されており、他に所持品はなかった。上地容疑者の山中までの足取りは分かっていない。

手配容疑は05年11月24~25日、三鷹市上連雀のアパートの永野和男さん=当時(53)=宅で、永野さんの胸を包丁で刺し殺害した疑い。

捜査1課が逮捕状を取得し、05年12月に指名手配。警察庁が重要指名手配に指定しており、有力情報の提供者に支払う公的懸賞金(捜査特別報奨金)の対象事件だった。

出身地はそれぞれ上地容疑者が沖縄県、永野さんは高知県。(共同)