政界地獄耳

菅官房長官胸張った「月6億枚のマスク」どこへ

★新年度のすがすがしさや、フレッシュマン・ウーマンの闊歩(かっぽ)する姿が見えない。客に夜の繁華街に行くなという自粛要請は真綿で首を絞めるように、飲食業を追い込んでいく。客に注意喚起すれば飲食店の休業補償の責任が伴わないと都知事は思っているのだろうか。1日の参院決算委員会で、このことを聞かれ、首相・安倍晋三は「ただちに直撃する。損失を補償せよという希望は承知している」としたが、国による直接的な損失補償は否定した。

★同委員会で首相は「今この時点で緊急事態宣言を出す状況にはないと考えている」とも発言。ちゅうちょする理由は複合的だろうが「何よりも国民の命を守るために判断していきたい」とし、一方で「フランスのようなロックダウン(都市封鎖)はできない」と本音を見せた。ただ首相は全世帯に2枚のマスクの配布を行うことを明言。2月20日段階で「まもなく月産6億枚のマスク供給が可能」と胸を張った官房長官・菅義偉の会見の結果なら、政府の希望的観測に国民は翻弄(ほんろう)され続けたといっていいだろう。

★相変わらず、政府は経済的補填(ほてん)の規模を拡大したくない模様だが、この4月からは7月から義務化されるいわゆるレジ袋の有料化の前倒しが始まり、診療報酬の改定で入院費などの大幅値上げが始まる。5月には全国で電気料金の一斉値上げもある。さまざまな施策の前倒しや、値上げの延期などありとあらゆることを政府と国会で点検し、国民に緊急事態宣言に代わる知恵も見せてほしい。それが、政府と国権の最高機関の仕事ではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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