政界地獄耳

国家試験の「密」は問題ないのか/政界地獄耳

★政府は、お盆期間の他県への移動などは慎重にと自重を訴えている。ところが、とんでもない問題がある。毎年春に行われている国家試験がコロナ禍で夏に延期になっているのだ。司法試験は今月12~16日、税理士試験は今月18~20日、公認会計士試験、社会保険労務士試験が今月23日に実施される予定。春の予定を夏に延期したところでコロナ事情は好転していない。しかし、政府は国家試験受験者は感染しないとでも思っているのだろうか。

★立憲民主党最高顧問・海江田万里が手つかずの問題をフェイスブックで鋭く指摘している。「私が所属する財務金融委員会に関係のある公認会計士試験の実情について、事務局の説明では関東近県の受験会場は、東京多摩の中央大学のキャンパスと千葉県の幕張メッセで、それぞれ1200名、3800名が受験予定。第1の問題は受験生は都県をまたいで移動することになる。これは都知事をはじめ各知事が自粛を要請している。国家試験の受験は「不要・不急」ではないとの言い分もあるが、最近の感染者の増加を考えれば、会場がクラスター源になる可能性がある」。

★「公認会計士試験の運営を聞くと、朝9時半から夕方6時までが試験時間とのことで、当然、受験生の席の間隔を広くするなどの対応はとられる。しかし昼食は試験会場で各人が持参の弁当を食べるとのことで、特に最近は20代、30代の感染者数が急増していますから、若い受験生が会場で一斉にとる食事もハイリスクと言える。受験生の心配はトイレにもある。休息時間にはおそらくトイレに長蛇の列となるだろうがソーシャルディスタンスが保てるのかの問題もある。また換気を徹底すると言っても、施設内循環型の換気では、かえってウイルスの拡散につながる。『基礎的疾患のある受験生に対して別室での受験ができないか』質したところ、『今回はそうした人のための別室の用意はない』との回答だった」と、問題点を指摘する。海江田は政府の危機管理の問題と訴えるが、旅行を促す政府にこの試験を心配する知恵はない。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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