政界地獄耳

菅内閣は昭和の妖怪政治でしかないのか/政界地獄耳

★自民党新執行部が発足した。今回の人事で一番感じるのは安倍内閣の官邸1強時代から党本部が互角か党主導に戻されたかもしれないということか。ただ、党総裁・菅義偉が71歳。幹事長・二階俊博81歳、総務会長・佐藤勉68歳、政調会長・下村博文66歳、国対委員長・森山裕75歳、選対委員長・山口泰明71歳。我が国の法律では74歳までが前期高齢者、それ以降は後期高齢者で、警察庁が発表した19年の免許返納者の平均年齢は76.96歳。しかし政府は「人生100年時代構想」を打ち出しており、官房長官時代の菅の口癖を使えば「全く問題はない」「指摘は当たらない」ということになるのだろうか。

★ただいい面もある。菅政権は安倍政権時代の官邸官僚を一部残すものの、官邸官僚だけで物を決めることが減ることは確実だろう。コロナ禍では官邸が決めた幾つかのことは閣議決定まで覆させて官邸の暴走を止めた経緯がある。このベテランたちが官邸をコントロールしてくれるだろうか。結局党内バランスを重視すると重鎮ばかりが名を連ね、女性幹部は添え物程度。この党は政策を無視しているのか、それともそれだけの女性の人材はいないということなのか。要職は男性たちの指定席なのか。

★将来は自分の内閣を作ると夢見る議員たちは、首相に上り詰めて自由な組閣ができるものなのか。現実は派閥の要求、重鎮の相談、若手の泣き言を受け止めながらいびつながらも組閣するのが通例かもしれない。ただ人事はトップの意志であり、イエスマンで固めてもその意志は貫けない。令和おじさんの内閣は昭和の妖怪政治でしかないのならば悲しすぎる。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング