翻訳超えたイメージ訳、オバマ鳩山会談/政界地獄耳
★ネット記事を見てもはっきりしない。17日に米国で発売されたオバマ前米大統領の回顧録「約束の地」で初来日した09年に当時の首相・鳩山由紀夫との会談を軸に記している部分の翻訳で騒動が起きている。同日午前10時のNHKニュースは「当時の鳩山総理大臣について、『硬直化し迷走した日本政治の象徴だ』と記すなど、当時の日本政治に厳しい評価を下しています」と報じた。ワシントン時事は「『感じは良いが厄介な同僚だった』と指摘した」。ワシントン共同は「『感じは良いが付き合いにくい』と振り返った」。これとは別に共同は「『感じは良いが、やりにくい』と振り返った」とも配信した。TBSニュースは「オバマ前大統領、回顧録で鳩山元首相を痛烈批判」の見出しでニュースを出した。
★朝日新聞は「時事通信などは回顧録が鳩山氏を『感じは良いが厄介な同僚だった』と評した」と報じたが、原文は「不器用だが感じの良い男」といった内容で、これについても翻訳のずれを指摘する声が上がったと報じた。ほかにもネットではfellowを同僚と訳すだけでなく「仲間」と訳す場合もあり、同盟国の一員としての敬意を払う表現をしているので好意的な評ではないかとの指摘をする人も多い。
★おさまらないのは鳩山だ。18日、ツイッターで「メディアのみなさん、オバマ大統領の回顧録を原文でお読みになったのですか? ひょっとして政府から渡された解釈をそのまま信じてお載せになったのではありませんか。ご批判は有り難くお受けいたしますが、どうかまず原文をお読みになってから私をご批判ください」「痛烈な批判はなかった。メディアはなぜ今でも私を叩くのか」と記した。ここまでくるともう翻訳や意訳を超えてイメージ訳としか言いようがない。無論、どこからも訂正や謝罪はないという。(K)※敬称略
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政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)