政界地獄耳

与党に逃げ道 立憲枝野のブレブレ発言/政界地獄耳

★1日の衆院予算委員会には立憲民主党代表・枝野幸男が質問に立った。首相・菅義偉の長男の勤める会社から高額接待を受けた内閣広報官・山田真貴子の入院、辞職が決まる中の質問で「首相は先週の段階で『辞めてください』とお願いをすべきだったのではないか」「遅きに失した」と攻め込んだ。その一方で「トカゲの尻尾を切られるように官僚だけが処分され、強いモチベーションで国のために働いてもらえるのか」と批判したのか同情したのかわからない。

★また先月26日の首都圏を除く6府県の緊急事態宣言解除についてもただし「総理が、総理の政治責任として決めたことは強く申し上げておきたい」と先行解除を批判。立憲民主党はウィズコロナからゼロコロナと言い出した。原発ゼロは言えなくなったが今度はゼロコロナなのか。立憲、いや枝野の腰の据わらぬ軸のブレた発言はこれだけ攻めどころ満載の与党に逃げ道を与えているだけではないのか。

★2018年1月15日の雑誌「プレジデント」には「私が菅官房長官を高く評価する理由」というインタビュー記事が載っている。そこで枝野は「私自身は宏池会の思想的な流れにある。あるいは石橋湛山の流れにあると思っている」とし、当時の官房長官・菅義偉を「総理を守り支えるという意味では、大変有能な、歴代稀にみる、3本の指に入る官房長官だと思います。それが日本にとって幸せかどうかは別ですが」と答え、首相を持ち上げている。新党立ち上げで学んだものは何かの問いには「結果論ですが、やはりブレてはいけないということ、この一点です。筋を通すことが大事である一方で、政治は“妥協”でもある。みんなが自分の主張を押し通し続けていたら、何もまとまらないので、基本的には妥協の芸術なんです」。立憲は国民民主党と再合流して妥協を始めたのかと思ったが、もともとこんな党だったのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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