皇室典範などの改正案が10日の衆院本会議で賛成多数により可決され、衆院を通過した。これに先立つ衆院議院運営委員会で審議入りし、木原稔官房長官は、男系男子に限定する皇位継承資格の現行規定に関し「古来例外なく維持されてきた重みを踏まえたものだ」と強調。旧11宮家の養子皇族男子の子が男性なら継承資格を持つ改正案の正当性を主張した。野党は「立法府の総意」から逸脱しているとして懸念を示した。参院審議を経て、国会会期末の17日にも成立する公算が大きい。

成立すれば1947年施行以来、実質的な内容を伴う本則の改正となる。衆院本会議では、与党に加え、中道改革連合、国民民主、参政各党が賛成。中道の一部議員は退席し、共産党とれいわ新選組が反対した。チームみらいは党議拘束をかけず、対応が割れた。自民党からも欠席者が出た。

改正案は「女性皇族が婚姻後も皇族身分保持」と「旧11宮家の男系男子の養子縁組」をいずれも可能とする内容。議運委の審議では、衆参両院が議論を重ねた立法府の総意と今回の改正案の相違点が論点となった。

養子の子の皇位継承資格を巡り、中道の中野洋昌氏は「総意からはみ出ているのではないか」と指摘した。木原氏は「現行法に基づいて判断した」と説明し、将来の検討を先取りして縛る趣旨ではないとした。

女性皇族が一般国民と婚姻後、住民基本台帳に記録されることも総意には含まれなかった。木原氏は「配偶者と子が一つの世帯として円滑に生活を送ってもらう必要がある」と述べた。女性皇族の配偶者と子が皇族になった例は過去に確認できないと言及した。

改正案では、養子の対象を47年に皇籍離脱した旧11宮家のうち、配偶者と子がいない15歳以上の男子とした。養子本人には皇位継承資格はないが、子孫が男性なら継承資格を持つ。近年の天皇直系ではない「傍系」が天皇となる可能性がある。

宮内庁の緒方禎己次長は、旧11宮家の男系男子と天皇陛下は「36~38親等の隔たりがある」と明らかにした。共産の塩川鉄也氏は、旧11宮家を養子に迎えるのは門地による差別を禁じた憲法14条に違反すると批判した。

議運委は、安定的な皇位継承策を引き続き検討するとの付帯決議を採択した。(共同)