日本財団が3日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、東京・お台場の「船の科学館」敷地内にあるパラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」など首都圏の2カ所に最大で計約1万床の病床整備を目指すと発表した。

財団によると、テント方式を活用する方針。「日本財団パラアリーナ」のアリーナや駐車場、公園計1万1000平方メートルの敷地内に、1200床を整備する。第1期工事は4月末までに完了する予定。テントは最大で800平方メートルと巨大なものだが、中は基本的に個室を作る。また、医療従事者の宿泊や休憩、食事場所も設置可能なものにする。

そのほか、茨城県つくば市内にある財団所有の古い研究施設を至急取り壊し、テントを建てる方針で、同所では9000床を準備する。7月末までに完成する予定だ。

日本医師会が1日に「医療危機的状況」を宣言したばかり。一部ではすでに病床不足も指摘されている。日本財団の笹川陽平会長は企画から発表まで「2日半」と短期間だったと強調。「コロナウイルス感染拡大は国難といえる。国民レベルでも一致団結して、この難局を乗り切る必要がある。緊急時はスピードが1番」と話した。建設及び運営費用、医療従事者の手当など、経費はすべて財団が負担するとしている。

笹川会長は「こちらは場所や設備を提供する。運営については東京都や厚生労働省と協議していく」と話しており、運営や医療従事者の派遣については都や厚労省に相談し、任せていく方針を示した。さらに「これらの施設が使われないで終わることが最大の願い。備えあれば憂いなし。作っていくことが重要だ」と強調した。