体調不安が指摘される安倍晋三首相が、今月28日に官邸で記者会見し、自身の体調についても言及する方向で最終調整されていることが25日、分かった。

首相の官邸での会見は6月18日以来、約2カ月ぶり。会見のテーマは新型コロナウイルス対策など複数にわたるとみられるが、健康問題は国民の関心事だけに、説明内容は注目されそうだ。

首相はこの日、今月11日以来2週間ぶりに開いた午前中の閣議に出席後、午後も執務をこなし、久しぶりの「フル勤務」。最近はほぼ午後からの出勤だった。

17、24両日に慶応大病院を受診し、検査も受けたとする首相の通院は、今後も続くとの見方が強い。当面は「公務と通院の両立」(与党関係者)で乗り切る方針とみられるが、持病の潰瘍性大腸炎が悪化しているとの見方が強い。フル勤務には臨んだが、健康不安説の払拭(ふっしょく)には至っていない。政府関係者は「以前のような、はつらつとした感じが消えたのは間違いない」と、話す。

首相と顔を合わせた閣僚からはさまざまな反応が出た。高市早苗総務相は会見で「いつも通りだった」と述べ、梶山弘志経産相は、面会した印象を問われ「お元気でした」と述べた。小泉進次郎環境相は、会見で首相の健康問題について「さまざまな臆測に基づく議論やうわさが出て、尾ひれが付く。私は醜いと思う。そういう議論に参加するつもりはない」と述べた。

一方、長期政権を率いた小泉純一郎元首相の元秘書官、飯島勲・内閣官房参与はBSフジの番組で「(首相は)堂々と病院に通えばいい」と、訴えた。