米国のカーペンター駐欧州安保協力機構大使は2日の会見で、ロシアが、ウクライナ南東部マリウポリ周辺に強制収容所を少なくとも4カ所設置し、ロシア軍が制圧した他の地域にも複数あるとの見方を示した。住民を捕らえて連行していると懸念を表明した。
カーペンター氏によると、強制収容所でウクライナ政府との関係を疑われた人物は暴行や拷問を受け、殺害されたり失踪するケースもある。尋問を経てロシアや親ロ派支配地域に移送される人もいるという。米CNNは、侵攻以来、親ロ派支配地域やロシアに強制連行された市民は数万人に上る、とのマリウポリ市当局者らの話を伝えている。
カーペンター氏はまた、ロシアが東部の親ロ派地域で5月中旬ごろに住民投票を実施して「併合」を画策していると危機感を示した。ロシアが制圧したとしている南部ヘルソン州で「独立」を問う住民投票が行われる兆候にも言及した。
南東部の激戦地マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から避難した第1陣の民間人約100人は2日、南部ザポロジエに到着した。だがロシアは製鉄所への砲撃を再開し、その後の退避作業は難航。地元市長は製鉄所にまだ200人以上の民間人が残っているとした。製鉄所内に立てこもるアゾフ連隊の幹部は、砲撃で入り口がふさがった地下から子どもや女性の声が聞こえるが、救出のための機材がないと訴えた。退避作業は国連と赤十字国際委員会が仲介して実施している。
ロシア国防省幹部は3日、製鉄所内のウクライナ部隊が民間人退避のための戦闘停止を利用して攻撃陣地を整えたと批判、攻撃を再開したと主張した。
米国防総省高官は、ウクライナ軍が第2の都市、東部ハリコフで、ロシア軍を約40キロ東方に後退させたと明らかにした。

