“大魔神”こと本紙野球評論家の佐々木主浩氏(54)と元ニッポン放送松本秀夫アナウンサー(61)の釣り対決第15弾はオニカサゴを対象に、千葉・大原「力漁丸」(中井聡船長=61)で開催。同船でのオニカサゴ対決は昨年8月以来2度目。そのときは大魔神3匹、松本アナ0匹で大魔神の圧勝。今年も大魔神が“オニ”とともに松本アナも退治するのか?

   ◇   ◇   ◇

同対決はサンケイスポーツとの共同企画で実施。これまでの通算成績は9勝3敗2分けで、大魔神が10勝にリーチをかけている。今回大魔神が勝って10勝になった場合、松本アナが罰ゲームの上、成績をリセットするという状況だ。松本アナは「罰ゲームは当初予定になかったんだけどな…」と苦笑した。

オニカサゴ釣りは、まず餌となるサバをフラッシャーサビキで釣り上げる必要がある。松本アナは昨年、餌のサバ確保にも苦労した。昨年も乗船していた常連客からは「松本さん、今年はちゃんとサバから釣ってよ!」とゲキが飛んだ。

サバのポイントでは、雨と強風に見舞われた。まさかの寒さに、半袖短パンで乗船の大魔神は「2日前にゴルフしたときは脱水症状で倒れかけたけど、なんでこんなに寒いの? とても8月とは思えない」と苦笑。そんな環境だったが、今年は松本アナもしっかり餌を確保した。

「サバは3枚におろして、できるだけ薄くするのがポイント」。大魔神は慣れた手つきで餌の切り身を量産していく。一方、松本アナは大苦戦。「包丁が切れないし、そもそもナイフサイズなので…大きいサバは…」と泣き言ざんまい。見かねた大魔神は敵に“塩”ならぬ“包丁”を送った。

オニカサゴのポイントを求めて中井船長が移動を繰り返すが、この日はどこへ行ってもサメとの格闘を余儀なくされた。再三サメに仕掛けを切られた大魔神自作の仕掛けには、集魚用にカラフルな飾りを付けていた。「これはダメだ。もう外す。それでもサメがくるならもうお手上げ。やりようがない」。仕掛けを船上で作り投入。すぐさま当たるが、無言でうなだれた。アタリの主はサメ。「マジで心が折れるわ~!」。大魔神をもってしてもサメはかわし切れなかった。

松本アナは潮の流れが速く、仕掛けが絡むオマツリの連続。大魔神からの「他の人に迷惑掛けちゃダメだよ!」に、「俺のせいじゃないっすよ~!」と返答する、漫才のようなやりとりが続いた。そんな中で、仕掛けを回収すると、そこには餌のサバよりも小さいユメカサゴが付いていた。通称“松本サイズ”に「まじめにやっているのに、どうしてこうなるの…」と頭をかいた。

船中最初のオニカサゴ浮上は出船から約6時間後。1・7キロの良型を釣り上げた漆原進さんは「1匹でこれだけ騒がれても…」と困惑気味だったが、だれよりも胸をなで下ろしていたのは、中井船長だったのかもしれない。

ラスト15分。大魔神のサオにオニカサゴらしきアタリが発生。「これはサメじゃない! いいアタリだぞ」。自然と笑みがこぼれる。だが、上がってきたのはユメカサゴ。「夢を見させてもらったよ!」とリリースするとすかさず仕掛けを投入。最後まで諦めない姿勢を見せたが、無情にもタイムアップとなった。

結局、2人とも本命ゼロのスコアレスドロー。船中でも漆原さんの1・7キロ1匹という厳しい状態に終わった。「今日は何をしてもサメしかこなくて、やりようがなかった。仕掛けも全部なくなった」という大魔神の横で松本アナは「延命できましたね」と胸をなで下ろした。

中井船長は「台風からちょっと厳しくはなっていたけど、ここまでひどい日はなかった。海が変わってしまったのかもしれません」と振り返った。オニカサゴ自体は「通年で狙えて、ちょうど今ごろが産卵期なので、良型が期待できる時季なんですけどね。でも、正直今年は分からない」というが、「9月1日がヒラメの部分解禁になりますが、それまでは狙えます」と話した。

通算成績は大魔神の9勝3敗3分けだが、松本アナの罰ゲーム&リセットにリーチは変わらない。次回、大魔神がとどめを刺すのか? それとも松本アナが一矢報いるのか? 乞うご期待! 【川田和博】

▼大原「力漁丸」電話0470・62・0575。集合午前3時30分。料金は氷付き1万2500円で、女性や子どもなどの割引もあり。この時季はイサキ&シマアジ、マダコ、テンヤマダイも受け付け中。※釣り物&出船予定は必ず電話か力漁丸専用アプリでご確認下さい。

○…中井船長にオニカサゴの基本的な釣り方を聞いた。

▼餌 フラッシャーサビキを用意していただき、まずは餌となるサバを釣ってもらいます。1人7~8匹釣れればOK。他にもイイダコ(船で販売)やアナゴ、シャケも可。

▼餌の成型 サバは3枚におろしたら、半身の長さをキープし、なるべく薄い切り身にする。長いほうがアピールにもなる。

▼オニは底立ちが重要 仕掛けを投入し、着底して糸フケをとった状態が底立ち。タナは底ギリギリなので、根掛かりを恐れず、横着をせず、しっかり底立ちを取りつづける。

▼誘い方 餌のサバやイイダコがフワフワ見えるように誘う。

▼アワセ 向こうアワセ(釣り人がアワセを入れず、魚が食い込むのを待つ)よりもアワセを入れほうが釣れている。

▼取り込み 上げる途中で暴れたり、サメに狙われることもあるので、ドラグをある程度締めて、速めに巻くほうがいい。