元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 歯科医院は今、コンビニより多いといいますが、歯科医院の選び方を教えて下さい。

 A さまざまな情報が氾濫する現代ですから、インターネットで選んでいる人がほとんどなのではないかと思います。歯科に限った話ではなく、口コミサイトでの評価や順位はお金で買われているといっても過言ではないので眉に唾をつける必要があります。新聞に出てくる「良い病院選び」のような特集も広告でまかなわれていることがあり、クリニックには頻繁に営業の電話が来ますし、同業者の間でも話題になります。

 では何で選ぶか。私が考えるチェックポイントのひとつは、歯科医院のホームページのプロフィル欄です。先生のこれまでの経歴や、何を専門に学んできたか、どんな治療に力を入れているか等です。大学を卒業した後、大学病院で研修する人もいれば、ベテランの院長先生が1人いるだけのクリニックに勤める人もいます。どちらがどう良いというわけではなく、開業後も学会やスタディーグループに参加しているか、新しい技術を積極的に学ぼうとしているかという姿勢が鍵だと思います。正直、診療しながら勉強を続けるというのは本当に大変です。患者さんの治療を後回しにするわけにはいきませんから、必然的に診療後の夜間や休日を削ることになります。ブログやSNSなどで情報発信している先生も多いので、先生の人となりを知る一助になるのではないでしょうか。

最終的にはプロフィルをチェックした上でクリニックに足を運び、先生やスタッフがよく話を聞いてくれるか、いろいろな選択肢を提示してくれるかというコミュニケーションが決め手になります。保険の場合、材料にはどういうものがあってリスクはどうだとか、自費の場合はどういうメリットがあるとか。その人にはどういう材料、治療法が合っているか、時間をかけて細かく話してくれると安心です。

 この春出版した本のモデルを務めてくれた女性が、たまたま現役の歯科衛生士さんだったのですが、撮影現場でもやはりこの話題が出ました。彼女は「クリニックのスタッフが先生に治療してもらっているかを尋ねてみるのは大切だと思います。」と話していました。私もその意見には大賛成です。一番身近で先生の治療を見ている人が、自分も治療してもらいたいなと感じることは大切ですし、私もそうありたいと日々励んでいます。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。