新型コロナウイルスのPCR検査を受けに行った際、問診票に体重を記入する欄がありました。重症化の危険性がある患者さんをスクリーニングするためとわかりますが、一昔前はこうした概念が定着していなかったように感じます。
肥満と歯周病のリスクに相関が見られることから、歯科においてもBMIを算出し記録していくことで全身の健康管理を行う時代になっています。指導のひとつには「食べ方」も入ります。2006年(平18)に行われた愛知県職員に対する横断調査で、食べる速さと肥満との関わりが初めて明らかになりました。
男女ともに肥満者(BMIが25以上)では食べるスピードが速い傾向にあることがこれ以降の報告からもわかっています。
「肥満症治療ガイドライン2006」によると、食物をゆっくりかんで咀嚼(そしゃく=かみ砕く)回数を記録させる方法が肥満患者の改善に有効であると記されています。咀嚼によって唾液の分泌が良くなる、脳内の血流を活発にするといった現象が健康に良いということは頭では理解できるものの、速食いに慣れてしまった方にはなかなか実行できない課題でもあると思います。
<1>水溶性食物繊維に富んだ食材(海藻、キノコ類など)<2>不溶性食物繊維に富んだ食材(ゴボウ、さつまいもなど)<3>乾物(切り干し大根、干ししいたけなど)のような弾力のある食材などをメニューに加えるのが手軽に取り組める対策です。
コンビニで総菜を買う際は、ワカメサラダと豚汁を組み合わせてみるといった感じです。食べ方の癖は幼少期から始まっていることもあり、食事中に「顎が疲れた」と投げ出してしまうお子さんも多いようです。さまざまな食感があることに気づき、かむことで味わい方が広がると食への関心が増しますので、食材のほんのひと工夫が咀嚼訓練には重要になってきます。

