2018年にNHKが放送した「人体 神秘のネットワーク」では腎臓、骨、脂肪、筋肉が産生放出しているメッセージ物質について詳しく解説しており、これらは人間の臓器が他の臓器に指令を出し、また反対に指令を受け機能しているといった内容でした。
例えば腎臓が産生放出しているメッセージ物質「エポ」は、酸素濃度が下がった時に骨髄に血液の産生放出を促し全身の酸素濃度の調整をします。また血圧が上がりすぎた場合には心臓の鼓動に働きかけ、血圧を下げます。「エポ」は医薬品としても認可を受け、世界中の高血圧に悩む人たちの助けとなっています。また脂肪から産生放出している「IL-6」というメッセージ物質は免疫の恒常性の維持をつかさどり、免疫が暴走したときは抑え、免疫力が低下したときは向上させます。
また筋肉から産生放出される「レプチン」というメッセージ物質は食欲を抑えます。我々はこのメッセージ物質に注目をしました。つまり、今までの幹細胞治療の問題点はこのメッセージ物質を利用することによって解決するのではないかと考えたのです。我々の治療では幹細胞及び細胞を使いません。除去して廃棄するのです。細胞を使わないのでがん化の恐れがありません。細胞を使わないので治療費が安価になりました。脂肪や羊膜(臍帯=さいたい)の幹細胞から細胞を培養するときに産生されるメッセージ物質「エクソソーム」、成長因子、サイトカインを利用することにより、より安全に効果のある治療が可能になると考えたのです。それが我々のエクソソーム(幹細胞培養上清液)治療になります。
◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。

