SNSでつながっている友人知人から、定期的にくるメッセージがあります。「お勧めの歯科医院を教えて欲しい」という相談です。周りから「お金をいただいたら」と笑われるほどの数なので、それだけ皆さんが困っている問題なのだと痛感します。

私は長年こうしたコラムの執筆や、テレビ番組などで話をする仕事をしています。このため、ある程度歯科医療というものを俯瞰(ふかん)で見る姿勢を心がけています。ベースになるクリニックのほか、大学病院の専門外来や首都圏以外での診療にも出かけます。都心で拝見する患者層は働き盛りの20代~60代が多く、大学では主に口腔(こうくう)がんや外傷などで手術をされた方、地方では0歳児から90代という幅広い年齢層の一般治療を行っています。施設への訪問診療にも出かけます。科学的な裏付けになる基礎研究を理解しなければ、どの治療法がどんな方に適しているのかを世の中に的確に伝えることができないので、複数の学会にも出かけます。

このようにして培った医療ジャーナリストとしての側面から感じることは、やはり医療格差というものは存在するという事実です。もっとも如実なのは「地域格差」だと思います。専門性を掲げた医療機関や最新設備が都市部に集中している現状があるため、受けたい治療をスムーズに受けられない患者さんはとても多いです。周りにクリニックがなく、選択肢自体がないという地域もあるでしょう。

患者層というのも当然地域差があります。都心にいた若い頃は、私も子どもの歯を診るチャンスがなく、乳歯を教科書でしか見たことがありませんでした。生え変わりのタイミングと食生活の影響、体の成長と顎の発育といった相関などは、どうしても経験値に左右されます。都市部で子どもさんの治療を検討する場合、小児歯科にたけている医療機関がベターかもしれません。