肺炎を引き起こす原因はウイルスや細菌、カビなど山ほどある。ウイルスでいえば、インフルエンザや新型コロナウイルス、風邪の原因にもなるアデノウイルス、乳幼児に多いRSウイルスなど。肺炎の原因となる細菌も若年者に多いマイコプラズマ肺炎などいろいろだが、肺炎による死亡は高齢者が圧倒的に多い。肺炎の死亡者の97%以上が65歳以上で、主な原因菌の1つが肺炎球菌である。

「肺炎球菌を常在菌として口や鼻の中に持っている人もいます。唾液に含まれた肺炎球菌は飛沫(ひまつ)感染で他人にうつるのです。この細菌が気道などで増殖すると肺炎に進展しますが、唾液を誤嚥(ごえん)して誤嚥性肺炎も引き起こすこともあります」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター副センター長の菅原玲子医師が説明する。さらに続ける。

「肺炎球菌は、高齢者の肺炎を重症化させやすく、血液中に侵入して敗血症という重篤な合併症を起こすこともあります。肺炎球菌に対しては定期接種もありますので、予防の一環としてワクチンも上手に活用していただきたいと思います」

肺炎球菌ワクチンの定期接種対象者は、<1>65歳の人、<2>60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能障害がある人など。対象か否かは自分の住んでいる自治体や主治医に確認を。<1>と<2>の人は、インフルエンザや新型コロナウイルスの定期接種の対象でもある。

「ウイルス肺炎の後に誤嚥性肺炎を起こすなど、肺炎を繰り返す人もいます。命を守るためにも、ワクチンに加えて、マスクや手洗い、誤嚥予防も心がけましょう」と菅原医師は話す。