頻拍は心臓に入り込む自律神経の変調で起こったり止まったりします。緊張やストレスで、脈が不規則に飛んだり速くなることが電気回路へのスイッチとなって頻拍が起きます。

26歳の女性が外来を受診されました。日頃からプライベートに悩みがあり仕事でもストレスを感じていました。深夜、不安でドキドキして脈が速くなり呼吸も急に速くなってしまい、病院に運ばれた経験が何回もありました。病院では、このような過換気状態で起こる頻脈と診断され、安定剤をもらって帰宅していたようです。

その後も症状は一向に改善されません。会社でパソコン作業中、再び過換気が襲ってきました。急に胸騒ぎや胸の詰まりがあり、ドキドキして強いめまいが出ました。なんとかこらえて仕事を続行して頑張っていましたが、15分もすると気が遠くなるとともに机にゆっくり伏せてしまったことで救急搬送されました。病院到着時には少し落ち着いていました。心療内科や精神科の受診を勧められ帰宅。わらをもつかむ思いで、私のところに来院されました。

上室頻拍の患者でめまいや失神が起こることがあります。頻拍の起こり始めや、頻拍開始後少ししてから自律神経性失神も出やすくなります。「あなたは、頻脈のせいで過換気やパニックを起こしていますね。発作性上室頻拍だと思います。頻拍なら治りますよ」と話しました。彼女は伏し目がちな目をゆっくり見開いて、少し驚いたようにこちらを見ていました。カテーテルアブレーションで心臓の異常な電気経路を焼いて無事に完治しました。