連載の22、23回目で触れたWPW症候群を覚えていますか? 心臓の司令塔である刺激伝導系と全く異なる副伝導路と呼ばれる余分な電線回路が生まれつきあるために起こる頻脈です。これはカテーテルアブレーションで完全治癒します。
WPW症候群とは異なり心房細動は、リモデリングが進行すると心筋が傷つき変形していく不整脈です。治療は「リモデリングを止めること」もしくは「最小限に抑えること」を念頭に置き、心房細動とどう「付き合っていく」かになります。
カテーテルアブレーションはリモデリングを止める有効な手段でありますが、その対極にある、アブレーションなどの非薬物治療でも治らない心房細動や、治療適応がない永続性心房細動を考えてみましょう。一方で、治らないはずの心房細動がどんなカテーテルアブレーションでどこまで治せるのかは、改めて説明します。
治らない心房細動では「リモデリングを最小限に抑える」ことが目標です。心臓をできるだけ変形させない治療です。すなわち合併症を抑える治療です。
連載の30回目でお教えしたCHADS2スコアを思い出してください。心房細動の年間の脳梗塞発生率を点数化したもので、6点満点では5人に1人、0点でも50人に1人が脳梗塞を起こすというあれです。項目は年齢(75歳以上)、心不全、高血圧、糖尿病、脳梗塞既往の有無でした。加齢は不可避ですが、心不全、高血圧、糖尿病は適切なコントロールで正常化が図れるはずです。できれば加点を回避できます。
心不全や高血圧、糖尿病の薬は、信頼する医師の適切な治療に任せるとして、みなさんができることがありますね、気づきましたか? 高血圧、糖尿病は生活習慣病です。1人1人が食事での塩分やカロリーをコントロールし、適度の運動含めて生活“悪”習慣を改善することが重要です。

