そこで登場するのは進歩の著しい薬物による治療だ。糖尿病にはインスリンを補充する、出やすくする、効きやすくする方法が主。「高座渋谷つばさクリニック」の武井智昭院長はこう話す。

「そのうち『GLP-1受容体作動薬』は、糖尿病の根幹となる体重管理の革新的な薬剤です。GLP-1というのはもともと体内にあるホルモンのひとつで、食事をすると小腸から分泌されてインスリンの分泌を促すことで食欲を抑え、満腹感を持続させます。それを応用して作られました。注射薬だけでなく飲み薬もあるので選択肢が広がりました」

GLP-1受容体作動薬は、膵臓(すいぞう)のベータ細胞にあるGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときインスリンの分泌を促す。同時に血糖値を上げるグルカゴンというホルモンの分泌を抑制することで血糖を下げる。

「脳の食欲中枢にはたらき自然と食欲が落ちついていきます。“我慢している”ことを感じることがないので意思の力に頼ることなく体重が減るため“痩せるホルモン”とも呼ばれています」

糖尿病、高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸症等の肥満にかかわるところをよくするという。

「食欲もストレスも低減できる、自然な効果で命を守る治療薬といえるでしょう」

最新の研究では特定のGLP-1受動体作動薬により心血管疾患のリスクが約2割減ったという。