難聴は聞こえによって「軽度難聴」「中等度難聴」「高度難聴」「重度難聴」の4つのレベルに分けています。前回は軽度難聴と中等度難聴を紹介しました。今回は高度難聴と重度難聴を紹介します。

●高度難聴(平均聴力レベル:70dB~90dB) 

70dB(デシベル)未満の音は聞こえないが、70dBから90dB未満の音は聞こえている状態が高度難聴。両耳が高度難聴の場合は、聴覚障害者認定の対象になります。それは、この段階では会話を自由に行えないからです。補聴器などが必要になります。ただし、補聴器は高度難聴の人から使い始めるのではなく、中等度難聴の方々から必要になります。そして、今は軽度難聴でも補聴器を使い始めています。ただし、そこには違いがあります。高度難聴では補聴器がないと生活が厳しいし、実は補聴器を使っていても厳しい場合があることを知っておいてください。

●重度難聴(平均聴力レベル:90dB以上)

高度難聴の人は、耳元で「お父さん!」と大きな声で叫ばれると「えっ」という程度に反応できます。しかし、重度難聴となると、「怒鳴り声」とか「電車の通過音」「自動車のクラクション」などの音レベルでないと聞こえません。何とか会話をするには、筆談でないとコミュニケーションが取れない状態です。実は、補聴器をつけても厳しいのです。このような段階の難聴者は「人工内耳」が1つの選択肢になってきます。人工内耳の適応基準は70dB以上となっていますが、70から90dBはグレーゾーンです。補聴器でよく話せるようになる人もいるからです。重度難聴では、ほとんどの人は人工内耳でないと聞こえません。しっかりコミュニケーションをとるには、人工内耳で対応するのが重要です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)