『難聴』を見つけるには「聴力検査」が重要になります。その聴力検査でわかるのは『加齢性難聴』以外にも難聴を起こす疾患はさまざまあります。聴力検査の「語音聴力検査」では気導と骨導の検査を行うので、そこで起こる難聴はある程度区別はできます。ただし、どのような異常があるのかは、聴力検査ではわかりません。それをはっきり示してくれることのあるのが「CT検査」なので、それを行います。
CT検査では、音を伝える骨の形や内耳の形もはっきり映し出され、また音を伝える骨の形もはっきり映し出されます。それによって、音を伝える骨に異常があったり、つながりが途切れていたりするようなケースなど、骨、また骨の周りの異常が確認でき、中耳疾患を見つけることができます。
もちろん、CT検査ですべてが分かるのではありません。難聴があって中耳の疾患が疑われるが、CTとか鼓膜の所見からではわからないときは、「試験的鼓室開放術」を行います。これは手術的に中耳の中をのぞいて異常の有無を確認するのです。最近は内視鏡を使うケースも増えてきました。
このようにCT検査で分かる難聴疾患もありますが、わからない疾患もあります。その一つが『聴神経腫瘍』。聞こえの神経、内耳より奥の神経が原因で難聴になっているケースです。聴神経腫瘍は神経にできる腫瘍なので、CTでは見えづらい。この場合は、MRI検査を行うことで発見できます。CT検査とMRI検査の両方を行うときもありますし、疑う疾患によってどちらかに選択することもあります。
このほか、『遺伝性難聴』もあり、発症年齢が40歳前後と若い。これが『若年発症型両側性感音難聴』です。遺伝性難聴なので、この場合は遺伝子検査を行って遺伝子が見つかれば診断が付きます。このように、しっかり診断をつけるには、聴力検査以外にも多くの検査のあることを知っておきましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

