放射線療法は、手術が適用にならない患者さんに対して行うほかに、脳転移の患者さんには転移巣治療に、また、小細胞肺がんに対する脳転移の予防など、いろいろ用いられています。放射線療法を受ける患者さんが増えているだけに、副作用は気になると思います。

肺がんの放射線療法の副作用は2つに分けられます。第1は「急性期(治療中から直後)」、第2は「晩期(数カ月から数年後)」に出るものです。

●「急性期」 治療中から治療直後に出てくる急性期の副作用は、まずは、「食道炎」と「皮膚炎」。食道炎はのどの痛みや胸やけなど。皮膚炎は照射部位の肌が赤くなる、ヒリヒリする、などです。全身症状としては「身体がだるい」「食欲不振」があります。このほかに、肺がんの場合は「せき」「痰(たん)」は、しばらく出やすくなることはあります。

●「晩期」 放射線療法終了の1カ月後くらいから、肺の組織が傷つき炎症を起こす「放射性肺臓炎」が起こります。「せき」「発熱」「息切れ」が主な症状で、多くは軽症です。

これらの放射線療法の副作用は一般的なもので、今はがんにピンポイントに放射線を照射するので、食道炎、皮膚炎、肺臓炎などの副作用は、ほぼ問題がなくなっています。ただし、「せき」「痰」といった症状は出ます。ピンポイント照射に変わってきたので、副作用は極めて少なくなりました。放射線療法は、有効性のある治療に進化した、と言えます。

副作用は、ほぼ問題がなくなってきたとはいえ、軽症でも副作用らしき症状が出たときは、すぐに主治医に相談しましょう。加えて、肺がんの治療を受けるためには、放射線療法に限らず、手術、薬物治療も、肺の負担を減らし、副作用のリスクを下げるために、たばこを吸っている人は「禁煙」を。特に、禁煙は肺臓炎のリスクを下げるには不可欠です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)