【西武・佐野泰雄】「一番は家族」選んだ道はスコアラー/さよならプロ野球〈8〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。第8回は西武・佐野泰雄編。

プロ野球

★14年ドラ2、19年V貢献

マウンドと未練なく、別れを告げられたと言えば、うそになる。11月23日の引退セレモニー。西武佐野泰雄投手(29)は声を詰まらせた。

「正直、来年もライオンズのピッチャーとして投げたかった。ファンからの熱い声援を受けたかった」

まさに本音だった。

◆佐野泰雄(さの・やすお)1993年(平5)1月18日、タイ・バンコク生まれ。2歳で来日し、埼玉県和光市で小3から野球を始める。和光から進んだ平成国際大では4年春、秋に最多勝、ベストナイン。14年ドラフト2位で西武入団。15年5月13日日本ハム戦でプロ初登板。16年6月3日阪神戦で初勝利。通算105試合登板で6勝5敗、防御率4・38。177センチ、90キロ。左投げ左打ち。

14年ドラフト2位で平成国際大から入団。19年には主に中継ぎやロングリリーフで44試合に登板し、優勝に貢献した。

8年目の今季はイースタン・リーグでも28試合の防御率4・82で、1軍登板は2試合だけ。昨年ドラフト1位で隅田、2位で佐藤隼と同じ左腕が入団したこともあり、出番を失った。

★妻「ついて行きます」

10月23日だった。

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