【日本ハム・樋口龍之介】近藤先輩の「バイト勧誘」が転換点/さよならプロ野球〈2〉
引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。第2回は日本ハム・樋口龍之介編。
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★近藤、松本剛、渡辺、平沼、上沢、鍵谷、高梨
5年前の1本の電話が、日本ハム樋口龍之介内野手(28)の人生を変えた。
「それまでプロに行きたいと思っていなかったので…」
立正大からBC・新潟へ入団して1年目の17年オフ。横浜高の1学年先輩で、尊敬していた近藤から着信があった。
「お手伝いだけど、来ないか?」
18年1月に誘われて向かったのは、鹿児島・徳之島で近藤が中心となって行われた合同自主トレ。サポート役の“バイト”として7人の日本ハム勢とふれあった23歳の冬は、刺激的だった。
◆樋口龍之介(ひぐち・りゅうのすけ)1994年(平6)7月4日生まれ、横浜市出身。横浜高では1年秋から二塁手のレギュラーとして活躍。同校では柳裕也(中日)が同期だった。立正大、BC新潟を経て、19年に日本ハム育成2位で入団。通算47試合出場で打率1割7分6厘、1本塁打、4打点。168センチ、91キロ。右投げ右打ち。
近藤、松本剛、渡辺(現阪神)、平沼(現西武)の野手陣の打撃を間近で見て、自身の練習にも熱が入った。
また、ブルペン捕手としても奮闘。上沢や鍵谷(現巨人)、高梨(現ヤクルト)の投球も受けてプロのレベルを体感した。
「すげぇ」。率直に思った。
「その時に初めてプロ野球選手になりたいと思いました」と、運命のターニングポイントとなった。
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