【オリックス・松井雅人】谷繁元信に学んだ孤独の意味/さよならプロ野球〈12〉
引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。第12回はオリックス・松井雅人編。
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★09年中日ドラ7 そびえ立つ牙城
オリックスで引退を決めた松井雅人捕手(35)が挑んだ壁はあまりに厚かった。
「谷繁さんがある程度の年齢になっていた。ほかにも捕手はいたけど、次は俺が取るという気持ちでした」
09年ドラフト7位で上武大からプロ入りした時、中日の正捕手は谷繁元信だった。
◆松井雅人(まつい・まさと)1987年(昭62)11月19日生まれ、群馬県出身。桐生第一-上武大を経て09年ドラフト7位で中日入り。19年6月に松葉、武田とのトレードで松井佑とともにオリックスに移籍。通算456試合出場で打率1割9分2厘、6本塁打、61打点。179センチ、81キロ。右投げ左打ち。
3021試合出場の日本記録を樹立した大捕手。リーグ優勝に4度導いた常勝中日の心臓だ。
松井が頭角を現しはじめた13年、42歳の谷繁は依然、衰え知らず。14年からは選手兼任監督になった。松井のライバルは「監督」に変わった。
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