【中日・山下斐紹】草野球でつかんだ「定位置」バー経営者/さよならプロ野球〈1〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。第1回は中日・山下斐紹編。

プロ野球

★10年ソフトドラ1→楽天→中日

12年間の現役生活に別れを告げた元中日・山下斐紹(あやつぐ)捕手(30)は、名古屋市の歓楽街、錦の一角にあるビルで「野球バー ダイアモンド」のオーナーとして、カウンターに立っている。

11月に店をオープンさせ、日曜日以外は午後8時から午前2時まで、お酒などを提供している。「つながりとか縁をすごく感じた」。

慣れない飲食業。開店準備をする山下は、自らの“城”のありがたみをしみじみと語った。

◆山下斐紹(やました・あやつぐ)1992年(平4)11月16日生まれ、北海道出身。習志野から10年ドラフト1位でソフトバンクに入団。17年オフにトレードで楽天に移籍。20年オフに戦力外通告を受け、中日に育成契約で入団した。21年6月に支配下登録された。通算144試合出場で打率1割8分9厘、6本塁打、16打点。179センチ、95キロ。右投げ左打ち。

プロでは定位置をつかむことができなかった。

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