辻栄蔵(43=広島)が史上23人目となる全場制覇を達成した。

予選では「20年以上やって桐生で優勝してないのに、それを記念でってのは虫がよすぎるでしょ」と話していたが、さらりと達成してしまった。G1での全場制覇は85年徳山MB大賞の彦坂郁雄(引退)以来2人目の快挙だ。

優勝戦は枠なりの3対3。辻はインからコンマ18のスタートを決めて56号機のパワーをフルに発揮。後続を振り切って逃げ、17年9月の常滑以来、通算8回目のG1優勝を決めた。2着は寺田祥、3着には金子拓矢が入った。

3月浜名湖のSGクラシックで、選手責任の整備不良のため即刻帰郷。ペナルティーによりSG復帰は早くても来年のダービーからになる。「走れるだけで幸運だと思ってます。1戦1戦やり切るだけ」と前を向いた。【湯田坂賢一】