どーもです。暑さもやっと落ち着き始め、命の危険を危惧していた“酷暑ゴルフ”からも開放され、いよいよ本格的シーズン突入かと思われます。そんな中、ボクは相変わらずの体たらく状態ですが、すこしだけ改善されつつあるようも感じています。10日にはPRGRさんのご厚意で「サイエンスフィット」を受けて、“今、どんな状態なのか?”を確認できたことで、解決への道も見えたような気がしています。そのレポは後日アップします。試打も徐々に再開していこうと思っていますので、長い目でみていただければ幸いです。というわけで、今月の筒康博氏のコラム「これってギアで解決?それともレッスン?」をお届けします。今月も参考になる情報が満載ですので、お楽しみください!


■昔と今でスイングの「常識が変わった」って本当!?

僕がヘッドティーチャーを務める「インドアゴルフレンジKz亀戸店」には、実にさまざまな経緯や目標を持ってアマチュアの皆さんが日々訪れています。その多くは“とりあえず”ドライバーを中心に「安定して真っ直ぐ飛ばしたい!」で、「そのためにはどんなスイングや練習を行えば良いのか?」を教えて欲しいとおっしゃいます。


…読者の皆さんは、ここでさまざまなツッコミを入れたくなっていると思いますが(笑)、現実にアマチュアの多くが思い描く自分の上達像でもあります。レッスンの現場では「正しいスイング」や「昔と今のスイング」の言葉もよく耳にします。この言葉はレッスンを行っている我々が使うことは非常に少ないのですが、今回は情報過多や固定概念に無意識に縛られているゴルファー向けに(もしかしたら)一般常識と知らずに苦労している「スイングの勘違い」をいくつか紹介したと思います。


■「インパクトはアドレスの再現」の真実

ゴルフ歴のある方なら耳にしたことがある「インパクトはアドレスの再現」スイング論(?)ですが、そもそも「静」であるアドレスと「動」であるインパクトが同じになることはありません。しかし最近のゴルファーのほど知っている反面、「どうせ違う形になる」アドレスの役割と重要性に気付いていないようです。インパクトがアドレスと「非常に似ている部分」と「似ていない部分」があり、やはりアドレスとインパクトには関連性があるというのが「真実」です。


まず「似ている部分」ですが、クラブフェースの向きは打ち出す「方向と角度」に大きく影響します。いくらインパクトでフェースに細工をしても、「そもそも」フェース向きがトンチンカンな方向を指してしまっていたり、アプローチでロフトなりにボールを上げようと思っていてもハンドファーストがキツ過ぎていては、低い弾道にしかならなりません。現代では「フィネス」という言葉で表現されたりしますが、カッコ良いネーミングがついているだけで「昔も今も変わらない」一般常識。要はショットが狙った方向や高さにならなければ、まずアドレスを見直すことから始めるべきです。


一方「似ていない部分」ですが、フルショットになるほど胴体から下が激しく前方に回転するため「開いたような体の向き」になります。では「肩から上は?」というと、先行した胴体の動きに遅れるため「割とアドレスに近い感じ」でインパクトを迎えます。つまり「肩から上」を見ればアドレスとインパクトには再現「感」があり、「胸から下」を見れば移動や回転があり前進しているほど「飛距離と方向性」のバランスが取れたスイングと言えます。


ちなみに「パターは?」というと、そもそもクラブのスピードが遅く動きが非常に少ないため「ほぼアドレス」でインパクトします。プロ&上級者の70%以上がターゲットより左を向く傾向があると言われていますが、クラブの動きが小さいパターや短いアプローチでは、「インパクトのようにアドレスする」感覚を持っているのです。


■「真っ直ぐ」バックスイング&ダウンスイングの真実

「真っ直ぐ」バックスイングやダウンスイングを心がけるアマチュアの皆さんも多いと思いますが、そもそもバックスイングとダウンスイングはヘッド軌道

を同じにすることができません。


スライスに悩むアウトサイドイン軌道の人や、タメが作れず飛距離が出ない人ほど、バックスイングよりもダウンスイングが「大きく外側」になる傾向があります。飛距離が出る人や綺麗なスイングほど、バックスイングよりもダウンスイングのヘッド軌道は「内側に小さい」傾向があります。アマチュアの皆さんはさまざまなレッスン情報で「真っ直ぐバックスイング」か「ダウンスイング」どちらかだけで改善に取り組む人が多いのですが、単にバックスイングとダウンスイングの「関係性」だけでしかなく、正面から見た時には「大小」をチェックし、後方から見た場合には「前後」または「上下」関係だけチェックすれば良いのです。


何も基準線が見えない空間なのに「真っ直ぐ」にこだわるほど、バックスイングとダウンスイングの「円弧」を描くことが難しくなってしまいます。


■「手打ち」と「ボディーターン」の真実

時々「昔は手打ち」や「今はボディーターン」みたいなコンテンツを目にすることがありますが、「手打ち」「ボディーターン」の表現は単に感覚的な表現でしかなく、昔も今も「100%」の手打ちの名手もボディーターンの名手も存在しません。身体的な「個人差」によってスイング全体に対する「手打ち」と「ボディーターン」の比率が異なるだけなので、必ず「両方必要」なのが真実です。


具体的には、バックスング前半ではボディーターン優勢になり途中から手打ち優勢でトップを迎えます。一方、ダウンスイング入ると手打ち優勢で両手を下げながら、途中からボディーターンがブレンドされインパクトを迎えるのが「昔も今も一般常識」スイング過程です。「悪い手打ち」や「振り遅れ」に悩んでいる人ほどバックスイングの初期で腕を使い過ぎたり、ダウンスイングの初期で腕を固定してしまっている傾向があります。上級者ほど全く意識せず「勝手に」「自然に」できている人が多く、うまくいかない人が「感覚」や「言葉」だけをそのまま受け取っても改善しないばかりか、「かえって酷くなる」場合すらあります。


“理論”や“持論”よりも、実際にどうなっているのか? 現代の練習環境では、動画や弾道測定をすればすぐに確認ができます。あえて「昔と今」で異なる所があるとすれば、現代は「感覚」の良し悪しを可視化できるところじゃないでしょうか? どんなに優秀な人のレッスンでも「自分がやってうまくできるかどうか?」の事実を確認することの方がはるかに重要。自己流でうまくなる人たちは「自分に合う」ものを選ぶセンスに優れた人たちですし、レッスンがうまいティーチングプロほど「持論に固執せず」今向き合っている人が「できそうな子こと」「結果が良くなること」を教えてくれる人です。A さんにハマった「感覚」と180 度異なるイメージがB さんに合うことがあるのです。


文・構成/猿場トール


■筒康博 スイング・ギア両面から計測&解析をいかし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。人気「インドアゴルフレンジKz亀戸店」ヘッドティーチャーを務めるかたわら、さまざまなメディアに連載中。WEB マガジン&コミニュティ「FITTING」の他、FM ラジオ番組内ではコーナーも担当し出演している。

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