渋野日向子(23=サントリー)が米女子ツアーの来季出場権をかけたQシリーズ(最終予選会)を20位で通過し、ツアー出場権を獲得した。19年の全英女子オープン優勝以来、日本の女子ゴルフ界に空前のブームをつくった渋野が来季は米国で戦う。優勝を含め、何かをやってくれるのでは? という期待感で今から楽しみにしている。
最近の渋野の口癖は「自分にはまだまだ伸びしろがある」という言葉だ。デビューする前から、プロテスト不合格や、合格後のファイナルQTで40位と振るわず、レギュラーツアー出場権を獲得できなかったことなど、数々の挫折の中からのし上がってきた。
渋野の最大の強みは失敗を次に生かす気持ちの強さと、思いきりの良さだと思う。大たたきをしても次の日にはケロっと好スコアをマークする。そんなジェットコースターのようなゴルフも、基礎の技術があってこそ。19年の大ブレークは、青木翔前コーチに基本を徹底的にたたきこまれた土台があった。今回のQシリーズ通過は、この2年間自分で考え、スイング改造など新たな進化を求めて努力したベースの部分がようやく出来上がってきた証拠だ。
いいときも悪い時も「自分には伸びしろがある」と前向きに努力すれば、いつかはその努力が実を結ぶことを渋野は教えてくれた。シーズン中、結果が出ないときに「自分に絶望した」「情けない」など、自分をおとしめるような発言をしていた。そんなに自分を責めなくてもと心配したが、あれもリップサービスの1つだろう。終わった直後は厳しく自分を責めて見せるが、一夜で切り替えて次の日には、前の日がウソのようにニコニコ笑いながら、好プレーを連発する姿を何度も見た。
コロナ禍の影響もあって沈んでいたこの2年から、来年は飛躍の年になるのか。渋野がQシリーズを戦っているときに、日本では来季の出場権をかけた女子のファイナルQTや新人戦が行われた。
QTを上位で通り新人戦で優勝した桑木志帆(18=岡山御津CC)は、渋野と同じ岡山県出身で「ひなこちゃんみたいにたくさん優勝できるプレーヤーを目指しています。将来は海外でプレーしたい」と優勝会見で発言した。
かつて宮里藍さんを目標に渋野たちがゴルフの練習に励んだように、渋野を目標とする若い選手たちが、どんどんプロの世界に入ってきている。来季の渋野の戦いを若いプロたちも注目している。【桝田朗】


