男子ゴルフの小平智(26=Admiral)にとって、15年は公私ともに充実のシーズンとなった。6月に元女子プロゴルファーの古閑美保(33)との交際を宣言。10月には日本オープン初優勝でツアー通算3勝目を飾るなど、賞金ランクも自己最高となる9位でフィニッシュした。

 小平を語る上で、その強烈なまでの海外志向は欠かせない。11月2日、羽田空港。中国で開催される米男子ツアーの世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズへの出発前に話を聞く機会があった。偶然にも、14年大会で3位に入って米ツアー挑戦への足掛かりを作った岩田寛(34=フリー)も同便だった。その岩田とガッチリと握手を交わして健闘を誓い合った後、熱い気持ちがあふれた。

 「今、日本から積極的に海外へ出て行こうという若手がいないですよね。(川村)昌弘くらいじゃないですか。日本の選手は日本でダメだった時、(下部ツアー出場など)日本で1年待つことが多いですよね。でも、韓国とか海外の選手は自分の国でダメだった時、日本だったり、アジアだったり、いろんな道を探している。確かに日本は環境も整っていますし、言葉も通じるし、食事もおいしい。でも、ゴルフはどこでもできるじゃないですか」

 刺激的な言葉だった。そして続けたのが、現状を変えようとする使命感と壮大な野望だった。

 「僕が松山(英樹)や(石川)遼、岩田さんから刺激をもらったように、そういう姿を(日本の若手に)見せることができれば、とも思っています。やるからには世界一を目指します。その夢を諦めた時、日本に戻って(専念という形になって)くるんでしょうけど、今はまだ、挑戦したいという気持ちだけです」

 結果的に、HSBCチャンピオンズは通算6オーバーの68位と厳しい戦いとなった。自らに重圧をかけるような強気な言動の裏で、険しい道であることは自覚しているのだろう。だから、目線はぶれない。

 1月は米ツアーのソニー・オープン(14日開幕、米ハワイ州ホノルル・ワイアラエCC)、日本ツアー開幕戦となるSMBCシンガポール・オープン(28日開幕、シンガポール・セントーサGC)に出場を予定。日本で試合のない2、3月もアジアへの積極参戦を示唆している。日本オープンを制したことで、5年シードと全英オープン(7月14日開幕、英国、ロイヤル・トルーン)の出場権も獲得。これまで以上に前のめりになって、世界に挑む1年になる。