優勝した大山志保(38)は、優勝賞金1440万円を熊本地震の被災地に全額寄付すると明かした。宮崎出身だが、熊本中央女高時代と、日大を経てからの4年間の計7年を熊本で過ごした。熊本と聞いて最初に浮かぶ風景は「熊本城。よく友達と遊びに行きました」。その熊本城が今回の地震で姿を変えている。

 14日の地震はKKT杯バンテリン・レディース(熊本空港CC、大会中止)のために宿泊していたホテルで経験した。翌日は「(実家の)宮崎に戻れなかったので」東京へ移動。16日の本震で被害が広がると「熊本に戻って、何か手伝いたいと強く思った」と、ゴルフをする気もしなかった。そんな中、専属キャディーら周囲に「志保が帰っても何もできることはないから、ゴルフを頑張ろう」と諭された。「いいゴルフをして、私がテレビに映るのを見て、少しでも元気になってくれる人がいれば」の思いから出場を決意。当初から東日本大震災の時と同じく500万円の寄付は考えていたが、「優勝してそのまま全額寄付しよう」と心に決めて、戦いに挑み、見事に実現した。