ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第14回はキャロウェイ契約の西村優菜(19=フリー)。

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アマチュアで数々の実績を残してきた、00年度生まれの「ミレニアム世代」注目ルーキーだ。大阪・大商大高では、18年日本女子オープン6位。昨年は大東建託いい部屋ネット・レディースで8位、富士通レディースで10位に入り、11月のプロテストでは堂々の2位となり、一発合格した。

身長150センチは、今季の国内女子ツアー出場予定選手では、プロテスト合格同期の山下美夢有と並んで最も低い。ドライバー平均飛距離は240ヤードほどで“飛ばし屋”とまではいかないだけに、クラブセッティングは特徴的だ。多くの女子プロが2本のFWを、西村は4本と2本多い。キャロウェイの担当者は「FW3には上がりやすさ、つかまりの良さ、飛距離を求め、FW7、9には抑えたボールを打てることを求めている。全てのショットの精度を上げて、バーディーチャンスを増やしていこうとしている」と話す。ドライバーに頼りすぎず、攻め方の選択肢を増やせる技術の高さに太鼓判を押す。

逆に多くの選手が3本のウエッジは50、58度の2本に絞った。ロフト角の差が8度もあるのも、同世代の仲間から「ウエッジ職人」と呼ばれるほど、さまざまな距離を打ち分けられる技術を持っているからこそ。すでにプロで生き抜く道を見いだしつつある。担当者も「言動がとてもしっかりしている。トーナメント会場に自分1人で運転してくるなど自立している」と、プレー以外の意識の高さを証言。渋野日向子ら98年度生まれの黄金世代に続き、新世代の一角として、今季の女子を盛り上げる可能性は十分だ。【高田文太】

◆西村優菜(にしむら・ゆな)2000年(平12)8月4日、大阪・堺市生まれ。5歳から競技を始め、17年にナショナルチーム入り。大阪・大商大高では18年日本女子アマ4位。アジア・パシフィック・アマチュア選手権は18年2位、19年5位。昨年11月のプロテストに一発合格。趣味は音楽鑑賞、スポーツ観戦。150センチ、50キロ。

<西村優菜のキャロウェイ契約クラブ>

▼1W=マーベリックSZ(ロフト角9度、シャフト=フジクラスピーダー569 エボリューション3、硬さSR、長さ45・5インチ)▼FW=マーベリックMAX(3W16度、5W19度、7W22度、9W24度)▼ユーティリティー=APEX(26度)▼アイアン=Xフォージド(2018年モデル、6I~PW)▼ウェッジ=ジョーズ(50、58度)▼パター=オデッセイ トリプルトラック ダブルワイド▼ボール=クロムソフトX TT